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2019 年度 実績報告書

先史・古代の河内平野南部地域の古地理復元を通じたジオアーケオロジーの実践研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K03231
研究機関一般財団法人大阪市文化財協会

研究代表者

大庭 重信  一般財団法人大阪市文化財協会, 学芸部門, 主任学芸員 (60344355)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードジオアーケオロジー / 集落動態 / 土地利用 / 河川形態
研究実績の概要

本研究では、地球科学の方法と概念を考古学研究に応用するジオアーケオロジーの手法を用いて、河内平野南部の南北7km、東西8kmの範囲内の60の遺跡を対象に、縄文時代晩期から奈良時代までの古地形を10時期に分けて復元し、この間の地形発達と人間活動の関係史を考察した。期間中に作成した基礎データとなる柱状図は総数2432点に及ぶ。
まず、対象地域の地形の特徴を、現地表面で判読できる後背低地の傾斜区分に基づき扇状地と規定し、こうした傾斜のある地形面の河川形態は網状流路であることを示した。この点に留意しつつ、各時期の流路を主流路と排水流路とに区分し、大和川主流路の変遷、および河川活動に伴う地形変化を発掘調査の地層データから復元した。そして、各時期の居住域・生産域・墓域の分布・範囲を復元し、地形条件に適応した土地利用や集落動態、生産基盤を同じくする地域集団・社会の拡大過程などを長期的視点で位置付けた。
以上の研究実績をまとめて成果報告書として刊行し、関係諸機関等へ配布するとともに、研究機関HPで公開し、オープンアクセスとした。
発掘調査における地層の観察・記載をもとに、これを繋げて過去の景観を広域で復元するという本研究の実践は、発掘調査精度の向上喚起や新たな研究視座を提示した点で学術的意義があり、また既存の調査成果の総合化は「文化財の活用」という社会的要請への一つの回答として社会的にも意義があると考える。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 遺跡調査における考古学と堆積学との協業-考古学との立場から2019

    • 著者名/発表者名
      大庭重信
    • 学会等名
      日本堆積学会2019年度大阪大会「堆積学トークトーク」
    • 招待講演
  • [学会発表] 梶山・市原(1972)への呪縛と、考古学/地球科学の時空間スケールギャップ-大阪の場合2019

    • 著者名/発表者名
      別所秀高
    • 学会等名
      日本堆積学会2019年度大阪大会「堆積学トークトーク」
    • 招待講演
  • [学会発表] 大阪平野における縄文時代晩期から弥生時代前期の地形変化と遺跡動態2019

    • 著者名/発表者名
      井上智博
    • 学会等名
      日本考古学会2019年度岡山大会
    • 招待講演
  • [図書] 先史・古代の河内平野南部地域の古地理復元を通じたジオアーケオロジーの実践研究-2017年度~2019年度科学研究費基盤研究(C)(一般)成果報告書-2020

    • 著者名/発表者名
      大庭重信
    • 総ページ数
      120
    • 出版者
      一般財団法人大阪市文化財協会
  • [図書] 「河内・上毛野における農耕と馬」『馬の考古学』2019

    • 著者名/発表者名
      大庭重信
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      雄山閣
  • [備考] 先史・古代の河内平野南部地域の古地理復元を通じたジオアーケオロジーの実践研究

    • URL

      https://www.occpa.or.jp/kenkyu/kaken/kaken01.html

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公開日: 2021-01-27  

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