研究課題
基盤研究(C)
本研究は、1)石器の高精度・効率的な三次元計測手法の確立、2)考古学資料・実験資料の計測、3)考古学研究のための示標の探索・分析手法の確立を目的として実施した。1についてはレーザースキャナによる計測を採用し、2として各地の旧石器時代石器および比較のための実験製作800点以上の計測を実施した。3については、独自のプログラムの開発を含めた解析ルーチンを確立し、国内でのワークショップを開催したほか、国際学会(MORPH2019)を主催した。
考古学
石器研究に限らず考古学研究においては、対象資料の観察・計測的属性の把握が研究者の専門知識、鑑識眼に依拠し、客観化、共有化が困難であった。本研究では、石器研究における観察・計測的属性について定量的に検証可能な示標化を行ない、議論の前提となる情報を再現可能なかたちで共有する基盤を確立した。三次元計測という新技術を踏まえた新しい分析手法の確立は、考古学研究の課題解決に大きく寄与する。また新たな技術、方法について、ワークショップ、国際会議の開催を通じて広く共有周知することに積極的に取り組んだ。