本研究では、日本統治下にあった近代期の朝鮮・満州を対象として、日本人が民間で作成した都市や観光地、広域空間の平面図、鳥瞰図などの情報を収集し、データベースを作成した上で、それらの資料を活用して各地域の商工業や観光の実態、表現された地域イメージを検討した。結果として、朝鮮半島を描いた吉田初三郎の鳥瞰図を多数見出すことができ、そこには当時の日本人の朝鮮に対する地域イメージが投影されていること、満州の都市平面図の発行は、1900年代以降、大連、奉天、長春、哈爾濱という順に、日本人の満州への商工者の進出、観光客の増加に対応して盛んになる傾向があることなどが明らかとなった。
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