本研究は5,300基を超える前方後円墳に止まらず主要な円墳・方墳もデータベースに登載し、全国的視野で各地域の古墳の特徴を地方首長層の動向とも関連づけて分布論的に検討する点に意義がある。さらに、日本列島内における古墳時代の各地域の地域相とその変遷に関して明らかにする意義は大きく、相互の比較を通じてそこに何等かの共通性を認めうるのか検討できれば、古墳時代を初期国家と捉えることの是非についても明らかにする資料となり、波及効果が大きい。 百舌鳥古墳群等の世界遺産への登録により一般に関心が高まっている古墳に対する理解を促進することとなり、貴重な文化財の保全に資するところ大なるものがあると期待できる。
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