(1)戦間期の広島市や佐世保市など地方都市を対象に、都市における屎尿処理の状況を分析することによって、当該期の都市・農村関係の変化、農民意識の変容および都市行政の再編成過程などに関して、新たな知見を得ることができた。 (2)福岡市や呉市などを対象に、都市計画や土地区画整理事業の進行過程を分析することによって、地主、資本家、住民などをめぐる都市内部における社会関係や権力構造、地域意識の変化などについて、新たな知見を得ることができた。以上の知見は、戦間期日本の地域社会構造の理解のみならず、現代都市における企業、行政、住民の関係の考察にも有効なものであると思われる。
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