研究課題/領域番号 |
17K03253
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
藤塚 吉浩 大阪市立大学, 大学院創造都市研究科, 教授 (70274347)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ジェントリフィケーション / グローバリゼーション / 外資系企業 / 中小工場 |
研究実績の概要 |
平成29年度は,東京を事例に,グローバリゼーションとジェントリフィケーションについて調査・研究を行った.まず,ロンドンとニューヨークと東京の産業別就業者の動向について比較検討した.金融保険と不動産業は,ロンドン,ニューヨークに比べて東京はやや低いが,専門技術サービスはロンドンとニューヨークに比べて東京の比率は半分以下であった.東京の外資系企業は,港区に最も多かった。職業別外国人就業者数についてみると,専門技術職は中心部や西部にその割合が高く,サービス職は北東部や南部に多く,生産工程は,足立区や大田区,江戸川区に多いことから,外国人就労者の居住地は,職業別に分極化していることが明らかになった. グローバリゼーションとジェントリフィケーションについては,中央区湊と港区白金を研究対象地区とした.中央区湊では,地価高騰期に立ち退きさせられた区画が1990年代半ばに低未利用地となり,その後高層の共同住宅が建設された.超高層住宅では,月額50万円を超える家賃の住戸があり,従前に居住していた世帯の手の届くものではなく,居住者には外国人の居住世帯もみられた.港区白金では,多くの中小工場が立ち退きとなり,民間共同住宅が建てられた.白金1丁目では,再開発により超高層オフィスビルと超高層住宅が建てられ,オフィスビルには外資系企業が入居し,周辺には多くの外国人居住者が増えた.研究対象地域におけるジェントリフィケーションには,グローバリゼーションの影響のあることが判明した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2005~2010年の東京の都市再生の動向に関する研究成果は、経済地理学年報第63巻第4号に掲載された。2010年以降の東京の調査研究を継続して行っている。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、2010~2015年の東京の都市再生動向について調査を行う計画である。また、ソウルの都市再生の動向について調査を行う予定である。東京の都市再生の動向の変化については、ケベックにて開催される国際地理会議IGUにおいて、研究成果を報告する予定である。
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備考 |
Deregulation Policy and Gentrification in Chuo Ward, Tokyo
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