2022年度は、国勢調査小地域統計集計結果を用いて、2015年から2020年までの管理,専門・技術職就業者数の変化を指標として、東京特別区部について検討したところ、都心部と周辺部において、顕著な増加が見られた。これにより、東京中心部の中央区と周辺部の世田谷区と練馬区において現地調査を行い、主に次の三点の研究成果を得た。第一に、中央区に立地する印刷業の工場についての調査と分析を行ったところ、零細工場の多くが閉鎖となり、その跡地には超高層共同住宅が建設されたことがわかった。第二に、世田谷区では、スポーツ施設が閉鎖されて、その跡地に戸建ての住宅団地が建設されたことがわかった。その住宅団地では、一戸当たり自動車2台の駐車が可能となっており、住宅価格は高く設定されていた。第三に、練馬区では、生産緑地に囲まれた土地に、戸建ての住宅団地が建設されたことがわかった。一戸当たりの住宅価格は、世田谷区の事例に比べると安価であった。 また、東京特別区部において管理,専門・技術職就業者数が増えたところについて現地調査を進めると、調査対象地域の近くに氷川神社のあることがわかった。そこで、氷川神社の立地動向についてGISを用いて分析したところ、氷川神社は他の神社に比べて河川に近い場所に位置していることと、台地・段丘、人工地形、低地の微高地など相対的に高くなっており浸水しにくいところに多く分布していることが明らかになった。この研究成果は、『GIS-理論と応用』の30巻2号に研究・技術ノート「氷川神社と地形との関係-東京都を事例に-」として掲載された。
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