本研究は、古代の神話的世界観が、どのようにして景観に記憶されてきたのかを明らかにすることである。その方法として、神話のなかに描かれた場所に注目する。対象とした神話は、古代については『古事記』『日本書紀』『風土記』『延喜式』などである。これら神話の多くが、古代の交通路や、国境、都市などの場所をともなっている。 つぎにこれら場所が、中世の物語、御伽草子においてどのように描かれているのかを調べた。近世においては、城下町の物語を研究対象とした。結果、中世、近世においても、古代の神話的世界観を継承していることが明らかとなった。
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