本課題で組んできた「一人っ子政策」とその終焉による中国社会における家族の変容については、次の通りにまとめられる。 日常の付き合いにおいては、婚出した女性が、自身の子も伴って頻繁に生家に顔を出し、食事や余暇をともにするようになっており、密接な関係が保たれている。清明節の祖先祭祀でも、女性は時には夫すら伴って生家の祭祀に参加している。加えて、大学進学や就職に際して親―子の地元志向が顕著となっている。以上の通り、家族規模の縮小に伴って、婚姻後も続く親子関係とユニットとしての核家族の重要性がともに増していることが明らかになった。
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