研究課題/領域番号 |
17K03274
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
兒玉 香菜子 (児玉香菜子) 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (20465933)
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研究期間 (年度) |
2018-02-28 – 2023-03-31
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キーワード | モンゴル / オーラルヒストリー / 女性 / 都市 / 教育 / 中国 / 社会主義 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は中国社会主義集団経済と社会主義市場経済化を経験してきたモンゴル牧畜民女性の都市進出過程と都市での生活経験を、オーラルヒストリーにより具体的に明らかにすることである。 本年度もこれまでにおこなったオーラルヒストリーのテープ起こしおよび翻訳作業を継続して実施した。その成果の一部「都市在住モンゴル人女性のオーラルヒストリー(4)オユンゲレル」を『千葉大学ユーラシア言語文化論集』(23号、2021年)にて発表した。オユンゲレル女史は1960,70年代を知識青年として過ごし、その後は教師になっている。オユンゲレル女史のオーラルヒストリーから、婚姻儀礼にまつわる慣習とその変化、とりわけ社会主義集団経済期における儀礼の簡素化が明らかになった。また、人民公社時代の大学進学プロセスに人民公社の推薦が必要であったことや当時のきわめて窮乏した食生活が描かれている。女史は苦しい生活の中、3人の子供を育て上げ、高等教育を受けさせた現在、こどもたちはみな都市に職を得ている。現在、オユンゲレル女史は定年退職し、大都市に暮らす孫たちの面倒をみる生活を送っている。これは現代中国における共働き世帯の子育てにおける祖母の役割を反映したものである。 これまで公開した4編と未発表のものもふくめて、オーラルヒストリーの英訳をおこない、英語版も別途公開する準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の世界的な流行の中、中国は入国後に長期の待機期間を設けており、また、中国の共同研究者も国内での移動が大きく制限され、当該研究に必要な新規の聞き取りはもとより、再度の聞き取り調査が思うように進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
オーラルヒストリーのテープ起こしおよび日本語、英語翻訳作業を継続して進める。必要な再度の聞き取り調査についてはSNSを活用するが、ウェブ環境の問題もあり、中国への渡航が可能になり次第、現地調査を実施し、対策を講じたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19のために海外調査および海外研究者の招へいが実施できなかったため。
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