• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

移民と先住民のルーツを生きるー北西部オーストラリアの日本人移民と先住民

研究課題

研究課題/領域番号 17K03275
研究機関東京外国語大学

研究代表者

山内 由理子  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (50626348)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード日本人移民 / オーストラリア / 先住民 / エスニシティ / アイデンティティ / 語り
研究実績の概要

2018年度4-6月には、2017年度にフィールド調査により収集した資料を整理し、理論的文献を合わせて分析を行った。
インタビュー調査のうちでもことに、戦前よりの日本人移民をルーツに持つ人々を分析の最初の焦点とし、語りとカテゴリーの問題をエスニシティ、アイデンティティ、および社会的歴史的状況と合わせて分析した。オーストラリアに戦前に移住した日本人をルーツに持つ日系人は、日系人であるゆえの強制収容や戦後の反日感情などの影響を受ける一方、先住民系であるゆえに先住民向けの施設への収容などの二重のマイノリティとしての負担にさらされてきた。また、ブルームの現地社会で数多いアジア人・先住民のミックスの人々で構成されるグループからも、その一員として認められながらも距離ができる、という状況にあった。しかし、それゆえに彼らのアイデンティティに関する語りには大きなイディオシンクラシーが認められ、エスニシティのようなカテゴリーを超えた「ディアスポラ的多元性」を醸成していることが認められた。その成果の一部は2019年3月出版の『クアドランテ』に掲載されている。
また、その成果より、4人のオーストラリア研究者とともに、日本とオーストラリアのつながりを多角的視点より考察するシンポジウム『ポスト・ファクト時代におけるグローバル・リコンシリエーションの行方』を6月23日に早稲田大学で企画した。
しかし、2018年度の初頭に病気となり、研究活動を休養することとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2018年初頭より病気により体調をくずした。結果として療養することとなり、科研費の使用も差し止めることとなった。

今後の研究の推進方策

病状も落ち着いたので、2019年度は研究に復帰する。
基本的には2018年度での研究予定であったことを2019年度に継続して行うことを計画している。
2019年4-7月の間はこれまでのフィールド調査で得た資料を中心に分析を行い、成果を6月の文化人類学会で発表する予定である。
2019年8月にはシドニー、パース、ブルームでの文献調査及びフィールド調査を行う。ブルームでの調査は日本人移民のライフヒストリーの聞き取りを中心とする。
2019年9月-2020年3月には、8月での調査結果及びこれまでの調査結果を分析し、学会発表および論文、本の原稿の執筆を計画している。

次年度使用額が生じた理由

2018年初頭より病気により体調をくずして療養することとなり、科研費の使用も差し止めることとなった。
2019年度には研究に復帰したので、2018年度にする予定であった計画を後ろ倒しで行う予定である。しかしその分2019年度に当初予定していた研究が2019年度には行えなくなるため,次年度使用額が必要となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] 周縁性、語りとカテゴリー、そして搾取しない「学知」をめぐって2019

    • 著者名/発表者名
      山内由理子
    • 雑誌名

      クアドランテ

      巻: 21 ページ: 41‐49

    • DOI

      http://repository.tufs.ac.jp/bitstream/10108/93314/1/ifa021004.pdf

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] イントロダクション:ポスト・ファクト時代におけるグローバル・リコンシリエーションの行方2019

    • 著者名/発表者名
      山内由理子
    • 雑誌名

      クアドランテ

      巻: 21 ページ: 103‐106

    • DOI

      http://repository.tufs.ac.jp/bitstream/10108/93320/1/ifa021010.pdf

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi