研究課題/領域番号 |
17K03279
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
阿久津 昌三 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (30201883)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | アフリカ諸国 / 独立記念式典 / 独立60周年 / 文化遺産 / ンクルマ / デュボイス / 独立運動 / ディアスポラ |
研究実績の概要 |
本調査研究は、独立60周年を迎えようとしているアフリカ諸国を対象として独立記念式典の変容過程を明らかにすることである。計画第1年度にあたる平成29年度においては海外及び国内で調査研究を実施した。海外における調査研究の主たる渡航先は連合王国及びガーナ共和国であり、現地研究拠点機関を中心に調査研究を実施した。連合王国では、アフリカ諸国の独立記念式典に関する資料収集及び情報収集をケンブリッジ大学図書館及びアフリカ研究所で行なった。なお、ロンドン大学英連邦研究所での調査研究も予定していたが、ロンドンでのテロ騒動があり、連合王国での滞在期間の短縮を図り、ケンブリッジ大学で重点的に調査研究を実施した。ガーナ共和国では、ガーナ大学アフリカ研究所、国立博物館、W・E・B・デュボイスセンター及びクワメ・ンクルマ聖廟博物館等で資料収集及び情報収集を行なった。また、クマシの王宮博物館で資料収集及び情報収集を行なったとともに公開のワークショップ「文化遺産の守り手としての博物館」において「My Beloved Asante and Museums in Ghana」と題して講演を行なった。さらに、エルミナ、ケープコーストにおいてクワメ・ンクルマに関わる独立運動関係資料収集及び情報収集を行なった。国内における調査研究では、アフリカ諸国の独立式典に関する資料の収集を行なった。また、海外での調査研究を実施する前に、2017年度三田社会学会大会一般報告「アフリカ諸国の独立式典―特に、ガーナ共和国の独立式典を中心として」と題して学会発表を行なった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ロンドン大学英連邦研究所での調査研究も予定していたが、ロンドンでのテロ騒動があり、連合王国での調査期間の短縮を図りケンブリッジ大学で重点的に調査研究を実施した。また、ガーナ共和国での調査期間の延長を図り調査研究を実施した。日本アフリカ学会、三田社会学会において研究発表を実施しており、また計画第2年度にも日本アフリカ学会で発表する予定である。したがって、現在までの進捗状況はおおむね順調に進展していると評価することができる。
|
今後の研究の推進方策 |
計画第2年度にあたる平成30年度においては海外及び国内において調査研究を実施する。主たる渡航先は連合王国及びガーナ共和国である。調査研究の課題は、①ガーナの独立記念式典の象徴論/権力論的分析(国旗・国歌・銅像・戦没者慰霊碑、議事堂、貨幣、郵便切手等のナショナル・シンボル)、②ガーナの都市構造と独立記念碑の地政学的分析(ガーナの指導者たちの銅像及びストリートの名称等のナショナル・シンボル)、③独立記念式典の意見交換及び情報収集(ロンドン大学英連邦研究所及びケンブリッジ大学アフリカ研究所)、④ Africa@60に関する資料収集等である。なお、日本アフリカ学会第55回学術大会で計画第1年度の研究成果を発表する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
ロンドン大学英連邦研究所での調査研究も予定していたが、ロンドンでのテロ騒動があり、連合王国での調査期間の短縮を図り、ケンブリッジ大学で重点的に調査研究を実施した。アフリカ諸国の独立記念式典については英連邦関係資料を収集することが必須のものであったが、ロンドンにおいてテロ騒動という予期していなかった事態が起きたために対応したものである。また、この対応策はガーナ共和国での調査期間の長期化を図ることで、計画第2年度に当初の計画以上に進展するように配慮したものである。この結果、平成29年度未使用見込額が生じたが、平成30年度請求額に加算することで計画第2年度に対応する予定である。具体的には、計画第2年度ではガーナ共和国での調査研究のみを予定していたが、ケンブリッジ大学を拠点としてロンドン大学英連邦研究所において調査研究をすることを計画している。
|