研究課題/領域番号 |
17K03284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 広島市立大学 (2022) 国立民族学博物館 (2018-2021) 広島大学 (2017) |
研究代表者 |
新本 万里子 広島市立大学, 国際学部, 研究員 (60634219)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 月経 / 生理用品 / ケガレ / 身体 / 生理 / パプアニューギニア / アベラム / 月経衛生対処 |
研究成果の概要 |
本研究では、モノの受容による月経のケガレ観の変容を、ジェンダーの視点から文化人類学的に考察した。具体的には、月経対処に関する基礎的データの欠落していたパプアニューギニアにおいて、月経対処に使用したモノの変遷を明らかにし、その変遷に従って女性たちの月経期間の過ごし方や禁忌の実践、知識の共有について資料を収集した。 それらの資料を分析することにより、月経をめぐるケガレは、社会の成員に災いを及ぼすような社会的に共有されたケガレから、個人的なものになり、物理的に汚いものへと変質しつつあることを明らかにした。また、月経をめぐる知識の共有や知識の質にも変化があることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
文化人類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義: 生理用品というモノの受容に焦点をあてて女性の歴史的経験を検討したことにより、月経をめぐるケガレ観の変容と女性の身体観の変容を明らかにした。文化人類学において月経は、ケガレという観念から論じられていた。その月経を、女性たちの禁忌の実践という側面から検討し、男性による忌避にいかに対峙してきたのかを明らするにすることができた。 社会的意義: 途上国では月経衛生対処という開発支援が展開し、月経教育のデザインが一つの課題となっている。本研究の知見は、月経教育をデザインする上で参照しうるものとなったと考えられる。
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