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2019 年度 実施状況報告書

複数社会の華人女性にみる「衣装」と「化粧」―女性性と社会性の仕立て方

研究課題

研究課題/領域番号 17K03292
研究機関東北芸術工科大学

研究代表者

謝 黎  東北芸術工科大学, 芸術学部, 准教授 (30424295)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード華人女性 / 旗袍(チャイナドレス) / 民族衣装 / ジェンダー / 身体 / 化粧 / アイデンティティ / 社会性
研究実績の概要

本研究の目的は、華人女性の衣生活と化粧文化に焦点を当てることにより、過去1世紀半にわたる中国内外の華人社会における「女性性」と「社会性」との関わり方を探ることである。
研究計画第4年目にあたる令和元年度は、これまでの調査結果を整理、吟味しつつ、次の調査計画の詳細を確定した。研究テーマに関するファッション・民族衣装・ジェンダー・身体・化粧などの資料を収集し、関連文献との突合せを行った。文献調査を通して、本研究の社会的背景や先行研究などを把握し、問題意識を再確認した。
フィールドワーク調査は、8月から9月にかけて、上海や貴州への文献収集と聞き書き調査などを行った。上海では、資生堂(中国)投資有限公司、戦略本部市場調研部での聞き書き調査を実施した。化粧品と美の問題、中国女性の「美」に関する考え、「内在的な美」と「外見的な美」、化粧と美容整形、何を「美」とするのか、女らしさとは何か、欧米と日本の化粧品の違い、中国消費者の特徴、女性性・化粧・民族服/伝統服との関わり方について、現地の方と意見交換し、現状を把握した。衣装と化粧の役割についての聞き取り調査を行った。
また、上海図書館や北京服装学院博物館や図書館での、19世紀後半から21世紀までの雑誌・新聞・写真・論文資料を収集し、チャイナドレスや漢服に関する聞き取り調査も行った。
貴州では、少数民族側からみた旗袍(チャイナドレス)のことを中心に調査した。現地では、苗族の祭りの際に着用された旗袍の実態について調べ、苗族は自分の民族衣装があるのに、なぜ大事な儀礼のときに、チャイナドレスを着るのか、といったことを調査した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

最終的な研究調査に向けて、文献資料を補充するとともに、現地調査を行った。夏には1ヶ月弱をかけて、上海と貴州の現地調査を行った。これらの調査を通して、次年度の研究はより明確な問題意識を持つこととなった。また、予定していた8月~9月の現地調査は貴州だけに絞って、マレーシアの現地調査を変更し、フィールド調査から入手したデータの整理と分析に時間を費やすことにした。
なお、2月~3月に予定していた上海調査は、新型コロナウィルスの影響により実施できなくなった。その代わり、これまでのデータを整理し一冊の本にまとめた。2020年6月に『チャイナドレス大全―文化・歴史・思想』(青弓社)を刊行することになった。
また、予定していた春休みの調査もコロナのため、できなくなった。

今後の研究の推進方策

昨年度に引き続き、関連文献を収集するとともに、現地調査の結果をふまえた上で、さらに研究課題に沿って具体的に調査していく。
これまでの調査データを整理し、研究報告書の大まかな章立てを作成し、調査の構造化を行う。コロナの状況を見て、現地調査を実施する日程を決める。
年度末の1~2月の2ヶ月を報告書の全体構成を比較の観点で作成し、執筆を進める。3月の報告書の完成を期す。5月あるいは6月、日本文化人類学会研究大会にて研究の進行とこれまでに得られた成果に関し発表する。本研究は東・東南アジアでの現地調査を軸とするものであり、そのため華人が住む都市部およびその周辺地域への旅費・宿泊費を執行する。また、現地調査にあたって、アンケート回答者やインフォーマント(運転手の報酬を含む)に対する謝金なども使用しつつ研究を進めるが、新型コロナウィルスにかかわる旅行規制等のため、現地調査ができない場合、次年度に延長することも考慮し、調査を進めて行く。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスのため、年度末に予定していた出張が中止となったため

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 1930年代上海のモダンガールのライフスタイル―女優の日記を基にして2020

    • 著者名/発表者名
      謝黎
    • 雑誌名

      東北芸術工科大学紀要

      巻: 第27号 ページ: 1-16

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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