研究課題/領域番号 |
17K03293
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 開智国際大学 |
研究代表者 |
古賀 万由里 開智国際大学, 国際教養学部, 准教授 (20782345)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | マレーシア / インド系移民 / ヒンドゥー寺院 / タミル語学校 / NGO |
研究成果の概要 |
多民族国家のマレーシアにおいて、インド系移民のエスニシティの在り方を、ヒンドゥー寺院とタミル語小学校、NGOの活動、エスニック・コミュニティから、分析した。エステートに建てられたヒンドゥー寺院は、1970年代以降から開発のために移転または破壊されてきた。タミル語小学校も同様に、閉鎖または移転させられた。2000年以降はその傾向が顕著となり、ヒンドゥー教徒のNGOが集まり抗議活動を行った。マレーシア社会で他民族と共生するためは、言語、宗教、出身地を超えて、Malaysian Indian として自らの文化や権利を守り、他民族と文化を共有することが必要である。
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自由記述の分野 |
文化人類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マレーシアでは1969年の民族対立以降、政府は民族問題を煽る報道を禁じ、「ワン・マレーシア」スローガンを打ち出し、多民族の融和をアピールしてきた。だが少数派のインド系や中国系は、マレー系中心社会で差別感や疎外感を感じ不満を抱いている。マジョリティであるマレー系住民の研究が多い中で、マイノリティのインド系コミュニティ側からの視点でエスニック問題を分析し、イスラーム社会の中でヒンドゥー教徒がいかにして伝統文化を保持し継承しているのかを明らかにした。またマイノリティの権利かまたマジョリティの権利かという公正性の問題点を提示し、自民族間の融合や他民族との文化の共有といった多民族共生の可能性を示唆した。
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