研究課題/領域番号 |
17K03295
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
中島 成久 法政大学, 国際文化学部, 教授 (80117184)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | インドネシア / ジャンビ州 / オラン・リンバ / ブキットドゥアブラス国立公園 / 土地権 / 共有地権 / 違法入植 / 違法伐採 |
研究実績の概要 |
インドネシア、ジャンビ州に住む狩猟採集民族オラン・リンバは、ジャンビ州の4県(バタンハリ、サロラングン、ムランギン、テボ)に分散して住んでいて、1970年代以降インドネシア政府の実施したトランスミグラシ政策、産業造林政策、アブラヤシ農園開発によって、先祖伝来の居所を追われ、今や悲惨な生活を送っている。一方、2000年ブキットドゥアブラス国立公園がその4県の交差部に設置され、一部のオラン・リンバは公園内に住むことを許されている。 こうした状況下にあるオラン・リンバの人々を、インドネシアの先住民族、少数民族という観点からとらえた。また同時にインドネシアの国立公園政策が必ずしも公園内の環境保全を十全に果たすよりも、違法入植、違法伐採に横行を許し、その内部の狩猟採集民族の生存を脅かしている実態を明らかにしてきた。 インドネシアにおける国立公園の危機的状況については、まず、クリンチ・スブラット国立公園での違法入植問題を考察した。ムランギン県のデサトゥオ村とニロディンギン村に位置するスンガイ・トゥバルでの現状をインタビュー調査を通して明らかにした。 また、2020年1月31日付けで、大阪大学国際公共政策研究科から博士号(国際公共政策)を授与されたが、論題は「インドネシアにおけるアブラヤシ農園開発をめぐる土地紛争の研究――共有地権とヘゲモニー関係の分析――」であり、過去20年にわたって継続して行ってきた研究の集大成を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年1月大阪大学国際公共政策研究科から博士号(国際公共政策)を取得したので、おおむね順調に研究は進展してきている。だが、博士論文の一部を英訳して公刊するという作業はまだ残っている。
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今後の研究の推進方策 |
博士論文の中で、インドネシアにおける先住民族の位置づけに関する国内法と、世界的な先住民族運動で展開されている概念との比較考察部分を英訳出版する必要がある。
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