研究課題/領域番号 |
17K03298
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研究機関 | 金城学院大学 |
研究代表者 |
桑原 牧子 金城学院大学, 文学部, 教授 (20454332)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 文化人類学 / 地域研究 / ポリネシア / 核実験 |
研究実績の概要 |
2017年度は本科研費を使って、2017年8月14日から9月4日までマンガレヴァ島とタヒチ本島において調査を実施した。マンガレヴァ島では核実験期の島での暮らしや現在に至るまでの変化について聞き取りを行い、タヒチ島では反核団体などと今後の調査で有用なネットワークを構築した。また、勤務先において2017年度後期にサバティカルを取得したので、2017年9月18日から2018年3月12日までフランス領ポリネシアにて文化人類学的フィールドワークを実施した。核実験地であったツアモツ諸島ムルロア環境、ファンガタオファ環礁に近く、後方基地であったハオ環礁にて2ヵ月半滞在し、核実験や実験期の環礁での生活について聞き取りを行い、中国資本の養魚場プロジェクト、水資源および海洋資源の利用、コプラ産業、キリスト教教会の活動を調べた。東ツアモツ諸島アマヌ環礁、タタコト環礁、プカルア環礁、レアオ環礁にて計5週間かけて核実験についての語りを収集し、住民の生活実践や環境問題への意識について調査した。残り2ヵ月をタヒチ本島にて、フランス領ポリネシア政府の核実験補償を扱う機関と連携を取りながら、核実験施設の元労働者支援や環境保護運動を行う団体、Moruroa e Tatau、Association 193、Tamarii Moruroaの幹部やメンバーに聞き取りを行い、それぞれの活動を参与観察した。Moruroa e Tatauの所有する核実験関連の資料や元労働者のインタビュー資料は整理されていない状態であるが大量にあり、それらの調査許可を貰い、内容の確認を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
サバティカルを取得し6か月をフィールドワークにあてることができたので、当初の計画より研究はかなり進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
ハオ環礁での養魚場プロジェクトについては、今回は準備段階を調べたが、プロジェクトが始動したところで引き続き調査を行う。東ツアモツ諸島の環礁は調査すべき項目がそれぞれ異なることがわかったので、計画を立て直して調査を進めていく。
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