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2019 年度 実績報告書

観光におけるミドルマンの関係構築と他者イメージ形成に関する研究―対馬を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 17K03305
研究機関東亜大学

研究代表者

中村 八重  東亜大学, 人間科学部, 客員研究員 (00769440)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード観光 / ミドルマン / 対馬 / 文化人類学 / 韓国
研究実績の概要

対馬と釜山における現地調査を行い研究を進めた。この年は日韓の輸出管理問題に関連した日韓関係の悪化のあおりを受け、対馬では予約が大幅に減少しており、二国間観光の弱点があらわになっていた。これまで本研究では、対馬の観光には日本人移住者を含めた多様な日韓のミドルマンたちが存在し、地元の人々と韓国人をつなぐ役割を果たし協働関係を築いていたことを明らかにした。また観光業に携わる日本人移住者や韓国人移住者が対馬に定着し地元と良好な関係を築くようになったことで、外部からのまなざしがもたらされ、地元の観光観に影響を与えていた。この時の観光客の大幅減少に際しては、ミドルマンたちの相互の助け合いや、少ない観光客に対する厚いもてなしが見られた。その一方で、相互に国家に対する憤りが観察され、個と国家のイメージの乖離が明らかになった。韓国からの観光客を一方的に受け入れる現状である観光の特性から、常に日本対韓国あるいは、日本人対韓国人の関係枠組みに回収されやすいことが指摘できる。ミドルマンたちは学びや音楽などを通じた日韓交流によって地元との連携を強める工夫を行うなどして、引き続き協働関係を強めていたが、自治体では韓国に依存した観光形態からの脱却が模索されており、観光活動の変化が注目される。またコロナウイルスの感染拡大が観光に与える影響は今後検討されなければならない課題である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 対馬の観光における他者イメージの形成-ミドルマンを中心として-2020

    • 著者名/発表者名
      中村八重
    • 雑誌名

      日本文化研究

      巻: 74 ページ: 27-43

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [図書] 帝国日本における越境・断絶・残像 人の移動2020

    • 著者名/発表者名
      植野弘子・上水流久彦編
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      風響社
    • ISBN
      9784894892736

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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