研究課題/領域番号 |
17K03306
|
研究機関 | 園田学園女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
浜口 尚 園田学園女子大学短期大学部, その他部局等, 教授 (30280093)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 捕鯨史 / ホエール・ウォッチング / ニューイングランド地方 |
研究実績の概要 |
令和元(2019)年10月、米国ニューイングランド地方において実施した北米捕鯨史およびホエール・ウォッチングの現況にかかる現地調査で得られた主要成果は次のとおりである。
1) ニューインランド地方における捕鯨産業は、最初はナンタケット島、次にニューベッドフォードと時と場所を移して発展した。1690年にナンタケット島で創始された捕鯨は、近海での操業から外洋に向かうようになり、1770年代にはブラジル沖まで進出した。1791年には南米ホーン岬沖を回って太平洋に到達し、1800年以降は赤道を超えて操業した。ナンタケット捕鯨の最盛期は1820年~1840年であり、同島の鯨油精製工場とロウソク工場を大きく発展させた。ニューベッドフォードの捕鯨産業は、ナンタケット島の捕鯨業者が1768年にニューベッドフォードにロウソク工場を建設したことを嚆矢とする。1842年、捕鯨収入ではニューベッドフォードがナンタケットを凌駕するようになり、以降ニューベッドフォードが米国捕鯨産業の中心地として発展していく。しかしながら、ペンシルベニアにおいて石油が発見された1859年以降、捕鯨産業は下り坂となり、米国帆船式捕鯨は1912年に終焉を迎えた。
2) ニューイングランド地方におけるホエール・ウォッチングは、ボストン東方沖約40㎞に位置するステルワーゲンバンク一帯が中心であり、摂餌のために回遊してくるザトウクジラが観鯨の主対象となっている。ホエール・ウォッチング・ツアー開催期間は、4月上旬から10月下旬であり、7月~8月が最盛期である。ボストン港からステルワーゲンバンクまでは、高速船で片道約1時間かかり、現地での滞在1時間を含めて3時間のツアーが一般的である。令和元(2019)年のツアー参加料金は大人1人53ドルであった。同年、マサチューセッツ州内では12業者がホエール・ウォッチング事業を運営していた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和元(2019)年8月下旬、米国ニューイングランド地方において現地調査を予定していたが、調査出発日の前日に筋筋膜性腰痛(ぎっくり腰)を発症し、調査の中止、療養を余儀なくされた。その後、10月下旬にほぼ当初計画どおりの現地調査を実施したが、体調不良のため、令和元(2019)年度調査のまとめ、および3年間の研究事業の全体的な総括が計画どおりに進展していない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2(2020)年3月18日付けで、1年間の研究期間の延長申請が承認されたので、令和2(2020)年度は過去3年間の研究事業の全体的な総括に取り組む予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
体調不良のため、約2か月間、研究活動を休止したため。次年度使用額については、令和2(2020)年度の研究活動費として使用する。
|