本研究では、かつて北海道で繰り広げられた民俗再編のうねりを明らかにすべく、(1)冬の百人一首(取り札が木製の「板かるた」の風習)、(2)節分の落花生撒き、(3)七夕のロウソクもらい、(4)秋の観楓会(かんぷうかい)という、北海道で特徴的かつ広域的に拡がった4つの季節行事に焦点を当てた。これら4つの季節行事については、そもそも伝播、生成、波及の時期や背景についての事実関係の精査が遅れていた。したがって、これらの行事がいつ頃北海道に伝播し(で生成され)、波及していったのか、その背景としてどのような推進力が働いていたのか、明らかにできるものを明らかにするとともに、現時点で言えることを整理した。
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