研究課題/領域番号 |
17K03317
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
西村 貴裕 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70367861)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 天然記念物 / 自然保護 / 景観保護 / 郷土保護 / 国立公園 / 環境史 / ドイツ史 / 日本史 |
研究実績の概要 |
2019年度は、まず2019年10月に台南で行われたThe Fifth Biennial Conference of East Asian Environmental History (EAEH2019)にて成果を報告するため、英文原稿を作成した。昨年度の天然記念物に関する二本の論文を要約したものである。報告要旨は受理されプログラムにも記載されたのであるが、その後の体調不良により出席を断念した。報告原稿は完成しているが、未使用のまま残っている。この学会は隔年開催のものなので、2021年に京都で行われる際に用いるか、あるいは手を加えて国際ジャーナルに投稿することを試みるか、現在考慮中である。 その後、申請書の研究計画欄に記載したIとIIIの研究(ドイツにおける天然記念物制度の成立・発展過程と、この制度への批判)を進めている。現在のところ研究は順調に進んでおり、先行研究では指摘されてこなかったドイツ自然保護制度発展の姿が見えてきている。景観の改変をコントロールするというドイツ自然保護制度の特徴がどのように成立したのか、新しい知見を提出することになる。 この論文の執筆に必要なドイツへの資料収集旅行を2020年3月に計画し、出張申請を早めに出していたが、新型コロナウィルスの影響で実現のしようがなかった。しかし、当座の研究に必要な資料はこれまでの資料収集旅行で十分そろえてあるので、しばらくはこのまま研究を継続することができる。論文完成手前の段階では一度ドイツに行く必要があり、これがいつ可能になるか、状況を注視していくつもりである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上の概要で記した通り国際学会での発表の準備に時間を費やしたため、申請時に立てた計画からは若干遅れ気味である。体調との関係で実現しなかったものの、国際学会等の場で研究成果を問うことは極めて重要であるため、これをもって「遅れ」と見なす必要はないと考えている。 現在準備中の論文はドイツにかかわるものであり、執筆最後の段階でドイツへの資料収集旅行が必要となる。新型コロナウィルスの状況によっては、2020年度以降、研究に遅れが生じる可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
当座は手持ちの資料でドイツに関する研究・論文執筆を継続することができる。しかし論文執筆の最終段階ではドイツへの資料収集旅行が必要である。新型コロナウィルスとの関係で、これがいつ可能になるのか、現在ではまだ見通しが立っていない。今年度が研究最終年度であるので、資料収集旅行ができなければ、科研費の期間延長(一年は可能であると理解している)を検討することになる。 これらの論文はこれまで通り勤務校の紀要への公開を予定している。しかし現在単著公開の可否について交渉を始めているので、紀要に公開することなく単著の一部とする可能性もある。この点も、この報告書を書いている段階では、まだ不確定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
概要の部分でも記載した通り、2020年3月にドイツへの資料収集旅行を計画したが、新型コロナウィルスの影響でキャンセルせざるを得なかった。 今年度状況が許せば、この資料収集旅行で残額を使用することとなる。しかし現段階では見通しが立っていない。一年間の延長をお願いすることも、十分にあり得ると考えている。
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