2022年度は延長2年目であったが、新型コロナウイルスの感染状況が2022年度中も収束には至らず、計画していた現地調査等は、全く実施できなかった。 一方で、最終年度は現地調査の実施可能性を探りつつも文献研究にも注力することとしており、こちらの方面は一定程度進めることができた。研究期間終了後にはなってしまうが、今後文献研究の成果を様々な媒体を通じて発表していく所存である。 2022年の農業経営基盤強化促進法改正で人・農地プランが法定化された。人・農地プランの法定化により、農地の利用調整が主たる内容にはなってしまうが、市町村が主導して地域計画を策定することとなった。本研究において調査対象としていた農村地域、とりわけ過疎化、高齢化が進む中山間地域における地域的公序形成について、一般社団法人とは異なるが、行政サイドからのアプローチによって方向性が見いだせそうな状況にはなったといえよう。 この点について研究代表者は、本研究とは別に基盤研究(c)「地域社会の持続性確保のための合意形成のあり方」を実施している。こちらは人・農地プランそのものが主たる研究対象とはなってしまうが、合意形成によって作出されるでろう地域的公序について、引き続き注視していきたい。 また、関連する活動として、2022年度も研究代表者は高知県香南市において農業委員会の活動評価を評価委員として実施したが、検討会の中で人・農地プラン策定をはじめとした地域的公序形成過程について、現場の担当者と意見交換をすることができた。今後継続して調査を続ける予定である。
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