本研究は、日本のホームレス等の居住実態を明らかにし、効果的な居住改善施策を検討することを目的としていた。研究の結果、ホームレスの多くは道路や公園に居住し、居住場所を転々と移動していること、それは行政による排除方法に規定されていることが判明した。ホームレス排除の方法としては、行政代執行のような直接的排除のほか、住民票の不受理、工作物の設置、公園の夜間施錠等の間接的排除があった。また、ホームレスはたとえ生活保護を受給しても、再び路上生活に戻ってしまうことも少なくなかった。解決策としては、公の施設にも住所を認める法解釈論の採用、工作物の設置制限、プライベートを確保できる住居の提供などが考えられる。
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