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2022 年度 実績報告書

「世帯」の家族法史――20世紀日本の家族法判例と家族法学の史的展開――

研究課題

研究課題/領域番号 17K03338
研究機関尚絅大学

研究代表者

宇野 文重  尚絅大学, 現代文化学部, 教授 (60346749)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード明治民法 / 世帯 / 「家」制度 / 中川善之助 / 家族法学説史 / 戦時の家族法学 / 裁判例研究 / 民事判決原本
研究実績の概要

本研究は、明治前期の下級審における「家」に関する裁判例分析や、明治民法の「家」制度関係規定の分析および法学説の検証を通して、20世紀家族法史における「世帯」という単位と「家」制度との関係について探求してきた。研究期間を通じて実施した研究の概要は次の通りである。①扶養法について主に3つの論点で研究した。ⅰ)明治前期下級審における扶養をめぐる裁判例研究、ⅱ)扶養法の歴史的展開と明治民法の構造的特徴の分析、ⅲ)中川善之助の「扶養の二類型」理論と「家」制度との関係についての考察。②明治民法において幕藩期とは異なる「家」制度的要素がどのように構造化されているのかについて考察し、1930年代以降の立法(民法改正)のプロセスについても分析を行った。③中川善之助の相続法論、とくに一子相続・農地相続論ついて、1930年代のドイツの一子相続法の受容や植民地調査の影響を指摘し、戦後の「農業資産特例法案」に対する見解について分析を試みた。④日独の研究者による共同研究を遂行してきたが、新型コロナウイルスの影響のため書籍編集等に遅れが生じた。しかし研究者間で意見交換を重ね、最終年度には、各植民地法における親族・相続法の適用、1940年代の女性の権利と地位の変化、戦後改正との連続性・連続性など、多くの論点を共有し、研究に取り組むことができた。
主な成果物としては、比較家族史学会監修・小池誠・施利平編著『家族研究の最前線⑤家族のなかの世代間関係』所収の「明治民法下の世代間関係の理念と実相」(日本経済評論社、2020年)、②③④の研究成果は2023年度刊行予定の松本尚子、レナ・フォリヤンティ編著”Jurisprudence in the state of mobilization and occupation :Germany and Japan in comparison"に公表予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 「シンポジウム<産みの親>と<育ての親>の比較家族史・全体討論」2022

    • 著者名/発表者名
      宇野文重
    • 学会等名
      比較家族史学会春季大会(明治大学、ハイブリット方式)
  • [図書] 『つながる政治学 改訂版』2022

    • 著者名/発表者名
      平井一臣・土肥勲司編著、宇野文重ほか編
    • 総ページ数
      244
    • 出版者
      法律文化社
    • ISBN
      4589041960

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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