研究実績の概要 |
収用制度の手続的規律について,フランス法との比較を行った論文「フランスにおける土地収用に関する判例の動向――手続的規律を中心とする日仏比較研究に向けた覚書」鈴木庸夫先生古希記念論文集『自治体政策法務の理論と課題別実践』(第一法規,2017年)を公表し,収用法の事前手続と訴訟手続の双方に関する基礎的分析を行うとともに,一部の問題について日本法の解釈論と立法論を展開した。また,学会報告として,2017年9月にナント大学で開催された国際研究集会において,同論文の考察をもとに,収用訴訟における原告適格に関する諸問題を論ずる学会報告を行った。 財政法の基礎理論に関する学会報告として,2017年10月に同志社大学で開催された比較憲法学会において,「フランスにおける財政規律と憲法――財政均衡に関する制度を中心に」と題する報告を行った。また,フランスの財政研究者向けのニュースレター(Reseau Allix, Newsletter, n°1, janvier 2018)において,日本の財政法制に関する解説を行った。さらに,フランスの公共調達に関する立法の分析として,「公共調達法制の整備――特許契約(コンセッション契約)に関する2016年1月29日のオルドナンス65号」日仏法学29号を公表した。 学生や一般向けの教科書として,『プラクティス行政法〔第2版〕』(信山社,2017年)を公刊し,公共施設法制に関する説明の充実を図った。また,財務関係の公務員向けの解説として,「権利の放棄に関する議決」日本財政法学会編『地方財政判例質疑応答集』を公表した。このほか,書評として,予算制度の研究書に関するものを1件,公表した(自治研究94巻3号)。
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