• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

グローバル化および「世代間公正」と向き合う選挙制度の憲法学的考察

研究課題

研究課題/領域番号 17K03372
研究機関立命館大学

研究代表者

植松 健一  立命館大学, 法学部, 教授 (90359878)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード選挙制度 / 憲法学 / ドイツ / 世代間公正論
研究実績の概要

「世代間公正」という視点を主な基軸として、現代の民主政の課題を析出し、とりわけ選挙制度・議会制度のあるべき姿について憲法学的観点(規範論的観点)から考察するのが本課題である。とくに選挙制度については、「選挙年齢引き下げ」「子ども選挙権(代理投票制)」の議論についてドイツ公法学における議論から示唆を得ることに努める。
平成29年度は、ドイツの現状と理論の検討を中心に研究を進めた。本課題のとりかかりとして、最近公刊された浩瀚なモノグラフィーであるAxel Adrian,Grundsatzfragen zu Staat und Gesellschaft am Beispiel des Kinder-/Stellvertreterwahlrechts,2016の他、Isabel Rupprecht,Das Wahlrecht fuer Kinder,2011などの基本文献を精読し、さらに近時のドイツの政治状況などを踏まえながら、現状の把握・分析と論点整理を行った。また、同書を手掛かりに独語の関連文献を読みすすめた。
また、本課題の前提的な検討点として、2017年9月のドイツ連邦議会総選挙前後のドイツ公法学における民主政をめぐる諸論点につき、公法・政治学の文献を読み、問題状況の把握につとめた。後者の研究の現時点での成果を、拙稿「ドイツの民主政の現状と課題-2017年連邦議会選挙を挟んで」憲法研究2号(2018年5月)、同「軍事・諜報の議会統制」法律時報1124号(2018年5月)というかたちで公表した。とくに前者では、現行のドイツの選挙制度の課題を指摘した。さらに、憲法理論研究会2018年春季研究総会(於:中央大学)において「民主政のデザイン―政治プロセスにおける「解散権」の位置」と題する報告の機会を得た。この報告には、上述したドイツの民主政の理論と現状に関する知見が反映されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画においては、①ドイツにおける「子ども選挙権・代理投票制」に関する議論を法学(とくに憲法学)の観点から論じている基本文献群の精読、②そのような議論が生じるに至った背景的事情として、ドイツの政治状況の現状分析(これも憲法学的視点からの検討が中心)、という2つの軸で研究を進める予定でいた。しかし、②は一定程度の達成をみたが(別記の研究成果参照)、①については文献の渉猟は果たせたものの十分な研究をするに至らなかった。その理由の大きなものとしては、本件課題採択後に決まった学内役職(学部執行部)に従事することを余儀なくされたことが大きい。

今後の研究の推進方策

上記のように、課題の推進が当初の予定より遅れている。ただし、文献・資料収集などの点では予定どおりであり、また、平成30年度は上記の研究遅延の理由となった条件がなくなった(役職任期終了)ことから、研究の遅延を回復することも可能であろう。
したがって、当初の研究計画に沿って、研究を推進していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

発注していた洋書の2冊が年度内に購入できなかった。少額であるため、平成30年度の図書購入費に繰り入れる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ドイツの民主政の現状と課題―2017年連邦議会選挙を挟んで2018

    • 著者名/発表者名
      植松健一
    • 雑誌名

      憲法研究

      巻: 第2号 ページ: 75-89

  • [雑誌論文] 軍事・諜報に対する議会統制2018

    • 著者名/発表者名
      植松健一
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 5月号 ページ: 50-55

  • [学会発表] 民主政のデザイン―政治プロセスにおける「解散権」の位置2018

    • 著者名/発表者名
      植松健一
    • 学会等名
      憲法理論研究会春季研究総会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi