本研究は、人権影響評価の理論及び方法論を明らかにすることを目的に、①人権影響評価の意義・根拠に関する研究、②人権影響評価の目的、主体、対象、範囲、方法に関する研究、③人権影響評価の実践例に関する研究を行い、人権影響評価の日本への導入のあり方を提言するものである。 当初、2019年度が最終年度であったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により1年延長した。2020年度も新型コロナウイルス感染症の影響で、対面での研究会は実施することができなかったものの、オンラインでの研究会を3回実施することができた。そのうちの1回は、外部講師を招聘し、スウェーデンにおける実践についてお話を伺った。一方、毎年行っていた国際人権法学会でのインタレストグループ報告は、研究大会がオンライン開催となったため2020年度は実施しなかった。 4年間の研究期間中に、研究代表者、分担者及び協力者がそれぞれ関連する研究論文の発表や学会報告を行ったほか、国際人権法学会のインタレストグループ報告を2回行うとともに、2020年2月には海外ゲストを招聘してビジネスと人権に関する国際シンポジウムを開催することができた。よって、本研究課題の目的は概ね達成することができた。これまでの研究成果をベースに、現在は人権影響評価の実践、主に企業と自治体の役割に着目した研究調査を進めている。さらに、2021年度より海外の研究機関との共同研究にも着手する予定である。
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