現代の国際私法は、複数の連結点を多様な形で組み合わせ、当事者意思を尊重することで、法規範の多元性を活用する。非国家法規範の適用可能性の承認は、紛争解決の脱国家化への傾向を示唆する。国際仲裁の利用が活性化し、国家法システムとの結びつきを弱めるとともに、裁判所が「国際商事裁判所」の導入により仲裁に接近することも、紛争解決制度の脱国家化傾向を示す。合意による紛争解決が他国で承認されるかは問題であるが、日本・韓国・台湾・中国の間では、相互に離婚調停の効果が認められる。紛争解決の脱国家化傾向は、国際民事保全、国際仲裁といった手続類型における外国法の調査・適用のあり方にも影響を及ぼす。
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