研究課題
戦間期国際法思想史と関連づけるかたちで、カール・シュミットの法思想の基層にある概念に関する研究を進めている。戦間期国際法思想史としては、シュミット思想の理解にも密接に関連する政治的要素を包摂する反実証主義的な国際法理論の研究についての成果を公表してきた。その成果に基づき、2018年3月に東京大学より「博士」(法学)の学位を取得した。シュミット法思想に関しては、日本政治学会『政治学年報』の編集に参加し、2017年8月に行われた研究会にてシュミットの主権論に関する報告を行った。また、2019年度の日本法哲学会学術大会における報告に向け、他の報告者との間で意見の交換を行っている。シュミットを中心として取り扱う論文の公表は19年度以降に行うことを予定しているものの、上記博士論文においても、その主要テーマである動態的国際法理論を理解するうえで必要な限りにおいて、カール・シュミットの法思想についての分析を行った。
2: おおむね順調に進展している
カール・シュミット研究に関連する国際法思想史研究については、成果の公表も含め順調に進んできた。また、シュミットの法思想そのものについての研究も、研究期間内における成果の公表を射程に入れたスケジュールで進捗している。
18年度は、シュミットの法思想そのものについての研究を推進し、19年度における成果公表を目指す。とりわけ、『政治学年報』や日本法哲学会において予定されている成果の公表は、他の研究領域との対話を深めるために重要であり、その準備に専念したいと考えている。
2017年に予定していた外国出張につき、勤務先における学部の役職に就いたこともあり、予定の期間に他の用務による出張が立て込んだため、実施できなくなり、次年度使用額が生じた。次年度使用額243,343円と2018年度分請求額60,000円を合わせた843,343円につき、2018年度には、成果報告のための外国出張費400,000円、研究会参加のための国内出張費として130,000円、講演者謝金として210,000円、消耗品として103,343円を支出する予定である。
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関西大学法学論集
巻: 67巻1号 ページ: 1-31
巻: 67巻2号 ページ: 1-23