研究課題/領域番号 |
17K03404
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
水町 勇一郎 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (20239255)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 業務委託 / フリーランス / ギグワーク / 労働法 / プラットフォーム / 労働者 |
研究実績の概要 |
業務委託等の形態で働くフリーランス、ギグワーカーなどの法的保護のあり方について、比較法的研究を基盤にして、研究を深めた。 この研究期間中に、世界的にプラットフォームエコノミーの発展等により、フリーランス、ギグワーカーが急増し、これらの就業者をめぐる法的紛争や政策的試行も続いている。本研究では、これらの最新の動きも取り入れ、研究を総合的に進めていった。 研究の成果は、逐次研究論文等として発表した。さらに、本研究の成果を総合的にまとめて、書籍または研究論文として発表する予定である。 日本政府は、2021年3月、「フリーランス・ガイドライン」を発出し、「労働者」に該当する者については労働法・社会保障法による保護、「労働者」に該当しない者については「事業者」として独占禁止法、下請法による保護を及ぼすことで、問題の整理と明確化を図った。しかしそこには、フランス、ドイツ、イギリス等でみられる、「労働者」と「事業者」の中間的な形態の者に対する、法の趣旨と実態に沿った法制度のあり方という視点が欠如している。 今後日本でも、このような視点から、法の趣旨と実態にあったセーフティネットのあり方を検討する必要性が高まるであろう。このような今後の政策的議論に対して、法学的な基礎研究の視点から発信をすることも継続していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に従って、おおむね研究を遂行できた。 ただし、2019年度末から2020年度にかけて、新型コロナウィルス感染症拡大により海外での調査、レヴューを行うことができなかった。ウェブによる情報収集によりある程度カバーすることはできたが、なお残された課題については、環境が許せば、2021年度において実施したい。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度にできなかった、海外の関係者との面談、レヴューを実施し、研究の成果を総括して、研究論文や書籍として発表する。 また、研究と実務の融合という観点から研究交流を進め、現実の政策立案や法解釈への反映を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大により海外調査ができなかったため。
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