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2017 年度 実施状況報告書

労働法と会社法の連携調和-中小企業法実務との乖離

研究課題

研究課題/領域番号 17K03408
研究機関大阪大学

研究代表者

水島 郁子  大阪大学, 高等司法研究科, 教授 (90299123)

研究分担者 山下 眞弘  名古屋学院大学, 法学部, 教授 (20108781) [辞退]
原 弘明  関西大学, 法学部, 准教授 (70546720)
地神 亮佑  大阪大学, 法学研究科, 准教授 (80762038)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード労働法 / 会社法 / 中小企業
研究実績の概要

本研究は、労働法と会社法の総合的理論的検討を行うことにより、両者の間隙を埋め、労働法と会社法の連携調和を図ることを目的とする。労働法も会社法も実務に近い学問であり、理論的検討の際には法実務と乖離しないことが必要である。大企業実務では法務、人事労務、経営管理を、それぞれ別のセクションが取り扱うのに対し、中小企業では経営者や幹部役員がそれらすべてを担うことが少なくない。労働法と会社法の連携調和を図り、法理論と法実務の連携を模索するには、中小企業法実務に着目することが有用である。本研究は学界の成果とするだけでなく、実務家や経営者に役立つ情報を提供し、ひいては中小企業労働者を守ることをねらいとする。
「比較法を含めた理論的検討」は、主として文献調査の方法で行った。後述の研究会で、研究分担者が「労働保険における労働者の「従前業務」に対する法的評価-アメリカ法を参考に」の題目で報告を行った。
「実務との対話」は、研究会を6回開催した(5月13日、8月5日、9月30日、11月11日、12月23日、2月3日)。研究分担者および研究代表者が報告したほか、研究者(教員)や実務家に報告を依頼し、それぞれの立場から検討を行い、多角的に意見交換をした。研究分担者および研究代表者の報告タイトルは、前述のほか、以下のとおり:「企業再編と労働者の処遇-会社法と労働法の交錯」「障害に対する配慮の合意と会社分割による承継」「障害者雇用-障害労働者に対する合理的配慮をめぐる最近の事例」。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「比較法を含めた理論的検討」は、研究分担者・研究代表者間の意見交換が限定的であった。他方、「実務との対話」は、予定を上回る回数の研究会を実施し、成果となる出版物の準備を前倒しで進めた。総合的にみると、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

当初の予定通り、「比較法を含めた理論的検討」と「実務との対話」の2本柱で進める。「比較法を含めた理論的検討」は、訪問調査を行う。「実務との対話」により得られた成果は、平成30年度中の公刊を目指す。

次年度使用額が生じた理由

約8割を使用し、おおむね予定どおり執行している。繰り越し分は、次年度に予定している訪問調査(海外)に充てる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (7件) (うちオープンアクセス 3件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 共同相続された定期預金債権等の当然分割性 が否定された事例2018

    • 著者名/発表者名
      山下眞弘
    • 雑誌名

      金融・商事判例

      巻: 1537 ページ: 2-7

  • [雑誌論文] 相続預貯金に関する判例変更が実務に及ぼす影響2018

    • 著者名/発表者名
      山下眞弘
    • 雑誌名

      ビジネス法務

      巻: 2018年5月号 ページ: 124-128

  • [雑誌論文] 事業譲渡・会社分割と労働契約承継の解釈論・立法論の検討2018

    • 著者名/発表者名
      原弘明
    • 雑誌名

      関西大学法学論集

      巻: 67巻5号 ページ: 997-1012

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 働き方改革と労働時間規制2017

    • 著者名/発表者名
      水島郁子
    • 雑誌名

      阪大法学

      巻: 67巻3・4号 ページ: 529-553

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 遺産分割における預金の取扱いをめぐる最高裁判例変更2017

    • 著者名/発表者名
      山下眞弘
    • 雑誌名

      税務弘報

      巻: 2017年4月号 ページ: 42-47

  • [雑誌論文] 労働保険における労働者の「従前業務」に対する法的評価-アメリカ法を参考に2017

    • 著者名/発表者名
      地神亮佑
    • 雑誌名

      日本労働法学会誌

      巻: 130号 ページ: 157-169

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 使用者の意見表明と支配介入-アメリカ労使関係法との比較2017

    • 著者名/発表者名
      地神亮佑
    • 雑誌名

      阪大法学

      巻: 67巻3・4号 ページ: 555-580

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 労働保険における労働者の「従前業務」に対する法的評価-アメリカ法を参考に2017

    • 著者名/発表者名
      地神亮佑
    • 学会等名
      労働法学会

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公開日: 2018-12-17  

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