研究課題/領域番号 |
17K03416
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
柳澤 武 名城大学, 法学部, 教授 (70363306)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 解雇 / 退職勧奨 / ハラスメント |
研究実績の概要 |
本年度も、継続的な文献蒐集とリサーチを行った。調査研究については、アメリカ(ミシガン州、ニューヨーク州、フロリダ州)において、高齢者の解雇や再雇用の実態、立法資料の調査、大学教授や弁護士といった専門家へのインタビューを行った。とりわけ、AARPが関わる再就職支援については、あまり日本でも知られていない実態に接することができ、その成果の一部について、高齢者法Japanのホームページにて公表した。 主要な研究業績としては、人生100年時代における労働からの引退過程の在り方について論じた論考があり、近年の裁判例を分析することで継続雇用制度の限界を指摘し、有期労働契約における事実上の定年制の問題もふまえ、手続き規整を行うことにより自由な意思にもとづいた引退を実現し、退職において労働者がイニシアティブを発揮できるような法制度の設計を提案した。また、ダイバーシティと労働法との関係について(本研究に関わる解雇事案を含む)論じ、職場においてLGBTへの理解が求められることや、雇用におけるダイバーシティ実現の鍵として、間接差別のコンセプトが重要である旨を示した論考も公表した。 さらに、セクシャルハラスメントによって退職に追い込まれた女性が、グループ企業(親会社を含む)に責任を求めた事件について、同事件を担当した弁護士を本研究費にて研究会に招聘し、研究者と実務家を交えた議論を行い、その成果として、親会社の法的責任について検討した最高裁判決の判例研究を雑誌に掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
資料の蒐集や論考の発表などは、当初の予定通りに進行している。その反面、アメリカ法の研究については、予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、比較法(アメリカ法)研究へとシフトしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
アメリカ法についての研究が遅れており、その分が2019年度に繰り越されるため。
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