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2018 年度 実施状況報告書

刑事手続におけるデータ取得・利用法制の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K03427
研究機関信州大学

研究代表者

丸橋 昌太郎  信州大学, 学術研究院社会科学系, 教授 (60402096)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードデータ / 情報
研究実績の概要

平成30年度は、情報保護法制に関するData Protection Act 1998(以下、DPAとする)、Freedom of Information Act 2000(FIA)、Data Retention and Investigatory Power Act 2014(以下、DRIPAとする)、 Investigatory Powers Act 2016(以下、IPAとする)を対象に、情報保護法制について研究を進めた。
DPAは、主として組織における情報の取り扱いを定めたものであり、FIAは、主として個人側から情報コントロール権を定めたものである。特に、DRIPAは、EU判決(Digital Right Ireland Limited c Minister for Communications, C-293/12, 8 Apr 2014; Seitlinger and Others, C-594/12, 8 Apri 2014)(CJEU)によって、イギリス法が準拠していたEU指令(Directive 2006/24/EC)が無効となったため、それに対応するべく、緊急で制定されたものである。ただ、その緊急的措置ゆえに、イギリス国内の控訴院でも違法判決がなされて、さらには、European Court of Justiceにおいて違法判決(C203/15 and C698/15)が出たため、その対応措置として、IPAが制定された。IPAはバルクデータの取扱い等についても詳しく規定されており、その構造分析を行った。
以上の法制、立法の動きについて、文献研究を進めたほか、実務運用への影響について多方面からインタビューを実施する。Peter Carey, Data Protection (4th ED)(2015, Oxford)の基本文献のほか、イギリス法やEU法の動きについて、関連論文・判例を分析した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画において想定されていた法改正過程の検討が入ったものの、基本的には順調に研究が進んだ。
特に、CPSやSolictaにヒアリングできたことで、予定通りの成果を得ることができた。

今後の研究の推進方策

当初予定通り、研究を進める。
令和元年度は、前年度までの研究を踏まえて、イギリスのIPAの改正点に検討を加えつつ、わが国における情報保護法制に関する近年の改正の意義について、EU法の水準に照らして分析しながら、これらを踏まえて、情報取得法制について、適法捜査担保型の理論的枠組みと、その妥当性を示すべく、研究を進める。
まずは、EU法の新しい水準とその影響については、イギリス法を通じて分析をする。わが国においても、2015年に、個人情報保護法が改正された。この改正の要因の一つとして、外国機関との情報共有のために、国際基準に準拠した法制度を構築する必要があったことがあげられる。この改正の意義について、EU法の水準に照らして検討を加える。
そして、これらを踏まえて、情報取得法制について、適法捜査担保型の理論的枠組みを検討する。そこでは、具体的要件、手続のほか、これらを現行刑事訴訟法の解釈において行いうるのか否か、を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

予定していた、東京での打ち合わせが次年度に持ち越されたため、次年度使用の必要性が生じた。令和元年中に、可及的速やかに、打ち合わせを実施する計画であり、次年度使用額は令和元年度請求額とあわせてそのために使用する。

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公開日: 2019-12-27  

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