本課題研究においては、補助事業期間延長の承認を受けたことにより最終年度が2020年度となった。本年度(2020年度)は、2017年以降行ってきたところの、わが国、ドイツ、また、スイスにおける関連文献・資料の収集・整理、調査をとおして得られた成果につき最終的なまとめを行い、研究課題テーマである 「終末期医療における自己決定と臨死介助の諸相ならびに臨死介助協会をめぐる諸問題」について総括の作業を行ったものである。 しかし、この度の新型コロナウイルス感染症の世界的な流行・蔓延によって各国における防疫対策が強化され、国内地域間のみならず国と国との間の人的往来も制限を受けるに至ったため、国外での研究活動はこれを見送らざるを得ず、主に、要に応じたオンラインによる研究活動となった。 なお、一昨年秋、10月5日(土)・6日(日)の両日に開催された、中央大学日本比較法研究所主催による国際シンポジウムについて、2020年において、その報告集の刊行作業が進められた。そして、ドイツ側との相互連絡を密にしつつ、具体的には、6つのセッションにおける日独のカウンターパートとなる各報告者間の内容のすりあわせや意見調整、翻訳原稿と日本側原稿との間の用語・訳語の統一等、細部にわたる綿密な作業を経て、2021年3月、同研究所叢書『終末期医療、安楽死・尊厳死に関する総合的研究』として刊行されるに至っている。また、同時に進められたドイツ側との調整作業のもと、遠からず、ドイツにおいても同報告集のドイツ語版の刊行が予定されているところである。
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