集合物質権の目的物変容に関するフランスの議論を分析した結果、説明のための手段として物上代位論が次第に用いられるようになったこと、しかも物上代位論は擬制としてではなく当事者意思の表れとして理解されるようになったことが明らかとなった。 また、明治初期の質権に関するわが国の慣行調査・達・大審院判例等を分析することにより、設定者保護を念頭においた流質廃止という近代法の考え方が簡単には受け入れられなかったこと、流質後の受戻をも想定した場合に糶売がかえって設定者に不利益となることがその理由と考えられることを明らかとした。
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