弁護士法72条に違反する行為を原因として依頼者又は第三者に発生した損害については、法律専門職業人賠償責任保険の対象となる業務に該当せず、法令違反免責の対象となる。弁護士賠償責任保険に適用される認識ある過失免責条項は故意免責条項とは異なる概念であり、一般的・平均的弁護士を基準に免責の適用を判断すべきことになる。依頼者の保護に関し弁護士成年後見人信用保証制度が2020年10月1日より開始した。弁護士の成年後見等の業務に限定されているが、被害者救済の目的を踏まえれば、今後は対象分野を拡大することも考えるべきである。賠償責任保険以外に信用保険という制度により依頼者の保護を図ることも重要な意義がある。
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