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2018 年度 実施状況報告書

民事訴訟における不利益変更禁止原則の再構成ー296条1項の検討を通じてー

研究課題

研究課題/領域番号 17K03462
研究機関神戸大学

研究代表者

八田 卓也  神戸大学, 法学研究科, 教授 (40272413)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード不利益変更禁止原則
研究実績の概要

不利益変更禁止原則について日本法・ドイツ法・ベトナム法を対照した結果、以下の知見を得た(ドイツ法は日本法の母方ということで参照した。ベトナム法は、日本の法整備支援を受けていること、社会主義の土壌の上に民事訴訟法が制定されており、私的自治の原則が民事訴訟法上どこまで貫徹されるかを分析する興味深い題材となり得ることから参照した)。
①不利益変更禁止原則については、日本民事訴訟法上上告審に関して320条にも規定があり、その沿革もドイツ法にまでさかのぼって考察する必要があること、②これまでに得られた知見を客観的予備的併合の主位的請求棄却、予備的請求認容判決に対して被告のみが控訴した場合の取り扱いにどう当てはめるかについて再検討をする必要があること、③ドイツ法上、移審効については、上訴の対象となった請求の範囲についてのみ生じると理解されおり、そのことが不利益変更禁止原則との関係で持つ意味について考察を深める必要があること、④社会主義の土壌の上に市場経済を導入し、日本等の法整備支援を受けつつ新民事訴訟法を2004年に整備したベトナムにおいては、訴えにおける申立事項の拘束力の原則は採用されつつ、上訴審における不利益変更禁止原則は採用されておらず、さらには検察官による控訴権限まで規定されていること、このことが、不利益変更禁止原則を(被上訴人による)申立事項の拘束力の現れとして理解するべきと考える近時の日本の有力説に対して有するインプリケーションをどのように考えるか、整理する必要があること。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の研究目的はこれまでの研究でほぼ達成され、さらに研究を縦に深めつつ(沿革研究の充実化)、横に広げる(他の国との比較検討も行う)段階に入っているため。

今後の研究の推進方策

日本民事訴訟法320条の沿革を掘り下げる等研究実績の概要で課題とした点の検討を行うほか、ドイツ法以外の比較要素としてスペイン法等を取り上げて検討する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (7件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 消費者の集合的な被害救済のための民事上の手続に関するヨーロッパと日本の動向2019

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      神戸法学雑誌

      巻: 68巻4号 ページ: 145-173頁

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 民事上の手続を利用した消費者被害救済のスキーム――民事訴訟・ADR2018

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      論究ジュリスト

      巻: 25号 ページ: 179-181頁

  • [雑誌論文] 訴えの利益2018

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      法学教室

      巻: 453号 ページ: 97-104頁

  • [雑誌論文] 法定訴訟担当2018

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      法学教室

      巻: 457号 ページ: 99-106頁

  • [雑誌論文] 民事訴訟法38~41条2018

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      加藤新太郎=松下淳一編『新基本法コンメンタール民事訴訟法』

      巻: 1 ページ: 119-133頁

  • [雑誌論文] 債権法改正に伴う詐害信託取消の相対効原則の修正2018

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      信託法研究

      巻: 43号 ページ: 71-87頁

  • [雑誌論文] 既判力の時的限界2018

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      法学教室

      巻: 461号 ページ: 125-132頁

  • [学会発表] 債権法改正に伴う詐害信託取消の相対効原則の修正2018

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 学会等名
      第43回信託法学会研究発表会
    • 招待講演
  • [学会発表] Presumption and its evidetiary relevance2018

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 学会等名
      II Conferencia Inernational & XXVI Jorandas Iberoamericanas de Derecho Procesal
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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