• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

不当利得法に基づく知的財産権保護システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K03465
研究機関広島大学

研究代表者

油納 健一  広島大学, 人間社会科学研究科(法), 教授 (20325236)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード不当利得 / 使用利益 / 知的財産 / 損害賠償 / 無体利益 / 無形利益 / 使用 / 侵害利得
研究実績の概要

まず、本研究を遂行するにあたり、“有体物の無断使用”に関するドイツ不当利得法学説(差額説・類型論)を1970年以前の学説に限定した上で、詳細に分析・検討し、“侵害者の 返還義務の対象は何か”・“侵害者の「使用利益(使用料)」をいかに算定するか”という二つの点を明らかにした。この課題に関する拙稿は、広島法学に6つに分けて連載しており、令和3年6月までに完結させた。

つぎに、1971年から現在に至るまでのBGH判決とこれに関連する文献につき、詳細に分析・検討し、“侵害者の 返還義務の対象は何か”・“侵害者の「使用利益(使用料)」をいかに算定するか”という二つの点を明らかにした。この課題に関する拙稿は、広島法学に4つに分けて連載している(現在3つ目まで公表済)。令和4年6月までに完結する予定である(脱稿済)。

なお、本研究の課題が、“不当利得法に基づく知的財産権保護システムの構築”であるにもかかわらず、令和3年度にあえて“有体物 の無断使用に関するドイツ不当利得法学説(差額説・類型論)”及び1971年から現在に至るまでのBGH判決を研究したことには理由がある。"有体物の無断使用"の場合と"権利の無断使用"の場合(知的財産権侵害の場合)とは、物 と権利の違いがあるのみであり、問題の本質にほとんど差異がない。そこで、"有体物の無断使用"について蓄積された研究を応用することによって、"権利の無断使用"について適切な解決方法を探ることは、本研究においてとりわけ重要な意義があった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

令和3年度は、新型コロナウイルスの影響で出張(海外を含む)を自粛せざるを得なくなったため、研究を思うように進めることができなかった。

今後の研究の推進方策

まず、“有体物の無断使用”に関する1971年以降のBGH判決について、これらを詳細に分析・検討した上で、“侵害者の返還義務の対象は何か”・“侵害者の「使用利益(使用料)」をいかに算定するか”という二つの点を明らかにした。令和4年6月までに拙稿論文の公表を完結させる。
つぎに、1971年以降の学説に限定した、“有体物の無断使用”に関するドイツ不当利得法学説(差額説・割当内容説)の分析・検討をすでに開始しており、“侵害者の返還義務の対象は何か”・“侵害者の「使用利益(使用料)」をいかに算定するか”という二つの点を明らかにする予定である。

次年度使用額が生じた理由

令和2年2月頃から令和4年3月まで、新型コロナウイルスの影響で出張(海外を含む)を自粛せざるを得なくなったため。残額は、次年度、図書費・出張旅費として使用することを予定している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 「ドイツ不当利得法判例における収益返還論の現状と課題(2)-飛行機事件判決(BGHZ55,128)以降の判例を中心に-」2022

    • 著者名/発表者名
      油納健一
    • 雑誌名

      広島法学

      巻: 45巻3号 ページ: 59-65

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「ドイツ不当利得法判例における収益返還論の現状と課題(3)-飛行機事件判決(BGHZ55,128)以降の判例を中心に-」2022

    • 著者名/発表者名
      油納健一
    • 雑誌名

      広島法学

      巻: 45巻4号 ページ: 41-49

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「ドイツ不当利得法における差額説と類型論(6・完) ―使用利益に関連する学説を中心に―」2021

    • 著者名/発表者名
      油納健一
    • 雑誌名

      広島法学

      巻: 45巻1号 ページ: 1-20

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「ドイツ不当利得法判例における収益返還論の現状と課題(1)-飛行機事件判決(BGHZ55,128)以降の判例を中心に-」2021

    • 著者名/発表者名
      油納健一
    • 雑誌名

      広島法学

      巻: 45巻2号 ページ: 69-78

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [図書] 『法律行為法・契約法の課題と展望』2022

    • 著者名/発表者名
      油納健一
    • 総ページ数
      25頁
    • 出版者
      成文堂
    • ISBN
      978-4-7923-2783-5
  • [備考] 広島大学研究者総覧

    • URL

      https://seeds.office.hiroshima-u.ac.jp/profile/ja.fa4cf117189a9b04520e17560c007669.html

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi