研究課題/領域番号 |
17K03496
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研究機関 | 帝塚山大学 |
研究代表者 |
福本 葵 帝塚山大学, 法学部, 教授 (40388880)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 長期保有株主 / Long term stock exchange / ロングターム証券取引所 / tenure voting / loyalty share / time-phased voting / LTSE |
研究実績の概要 |
2021年4月12日、公益財団法人日本証券経済研究所(東京研究所)株式市場研究会において、「SPAC(特別買収目的会社)とは何か」と題する研究発表を行った。また、この研究会における議論を経て、2021年6月、帝塚山大学の発行する帝塚山法学第32号(37-53頁)において、「SPAC(特別買収目的会社)とは何か」と題する研究レポートを発表した。 更に、2022年3月、公益財団法人日本証券経済研究所(東京研究所)が発行する証券経済研究第117号(21-35頁)において、「SPAC(特別買収目的会社)とは何か」と題する論文を発表した。 また、2022年3月19日、公益財団法人日本証券経済研究所(大阪研究所)、証券経済研究会において、「SPACのその後」と題する研究発表を行った。 『リーン・スタートアップ』の著者エリック・リースは,LTSE(Long term stock exchange)の開設をSECに申請し,2019年5月に承認された。同取引所は2019年9月より営業を開始した。 同氏は当初,LTSEに上場する企業に対し,保有年数に比例して増加する議決権の制度の採用を要件としていた。この制度は,tenure voting, loyalty share, time-phased voting等と呼ばれている。フランスのフロランジュ法における二倍議決権は,この制度の一形態である。2021年8月にはLTSEにはテック企業のAsanaおよびTwilioが初めて上場したが、当初求めていたtenure votingは実施していない。そのため、本年度は研究対象をやや広げて調査・研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症のため、当初予定していた海外出張ができなかった。海外からの資料、論文の入手はもっぱらインターネットを通じて行っている。
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今後の研究の推進方策 |
文献収集のための海外出張が可能となれば、ヨーロッパまたはアメリカに赴く予定である。 昨年、AsanaおよびTwilioが上場したLTSE(ロングターム証券取引所)やフランスのフロランジュ法の実施後の企業の変化について、また、長期保有すれば誰に対しても複数議決権が与えられるのではなく、長期保有を約束した株主がその期間保有することを条件に複数議決権が与えられる制度を採用しているオランダ企業など、本年度も引き続き研究する予定である。 また、昨年度やや研究範囲を拡大したが、それらについても本テーマとも結びつけた研究成果を発表したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響を受け、海外出張が不可能であったため。国内の資料収集についても同様に資料集のための国内出張ができなかった。今期は出張が可能となれば、実施する予定である。
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