研究課題/領域番号 |
17K03496
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 帝塚山大学 |
研究代表者 |
福本 葵 帝塚山大学, 法学部, 教授 (40388880)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 長期保有株主 / tenure voting / loyalty share / time-phased voting / LTSE / ロングターム証券取引所 / フロランジュ法 / 複数議決権株式 |
研究成果の概要 |
短期主義批判から各国では中長期投資促進策の導入が検討されている。そのうち、中長期保有株主の株式に一株一議決権より多くの議決権を付与するというものがある。このような制度をtenure votingという。 米国のLTSEは、計画当初はtenure votingの採用を上場条件としていた。また,欧州では改正案の段階では、株主権利指令に中長期株主に対する優遇策の採用を各国に義務付ける条項が存在していた。フランスやイタリアでは,長期株主に対し、2 倍の議決権を付与する法律が成立するなど中長期保有の株主に対する優遇策の例は多い。 本研究では、金融危機後の各国の長期保有株主優遇策を比較研究したものである。
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自由記述の分野 |
会社法、証券市場
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
株式投資における行き過ぎた短期主義への批判から長期保有株主に対する優遇策導入が議論されている。フランスのフロランジュ法に見られるような、長期に保有する株式に複数の議決権を付与するtenure votingの制度は、偏った短期主義傾斜への歯止めとなる策の一つであると考えられる。 しかし、長期保有株主優遇策の導入には賛否があり、今後も議論は継続すると考えられる。フランスやイタリアのように法制する場合、アメリカのアフラックのように各企業が個別の策として導入する場合など今後も検討されるであろう。どのような制度を設計するかに際し、本研究がその一助になるのではないかと考える。
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