本研究成果として、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、社会のデジタル化が一層加速する中で、とりわけ、言論・表現・情報の自由や公開性・透明性に関する法の原理と制度デザインの在り方をめぐり、日米欧の古典的議論及び近年の個別事例等の分析から引き出される示唆として、本研究の今後の展望につながる、次の点を明らかにした。すなわち、デジタル化が進む社会における人権保障と権力統制・監視機能を実効的に担保するためには、情報法の価値原理と制度デザインの新たな構想が求められていること、そして、特に今後の日本のデジタル社会の秩序形成の文脈では、いわば「情報権力分立」が要請されること、である。
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