本研究の学術的意義は、次の3点にある。第1に、ジェンダー法理論を法学の伝統と接続し、その知的基盤を強固にしたことである。第2に、伝統法学を現代的=ポストモダンに構想し直すことで、その現実対応力を強化したことである。第3に、これらの成果を実現すべく批判法学を使いこなすことにより、批判法学ひいては法理論一般と実定法学とを架橋する学際的研究に貢献したことである。 本研究の社会的意義は、ジェンダーを語るうえでも「法が重要である」(富とアイデンティティを規定しているのは法である)ことを明確にしたことにある。
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