研究課題/領域番号 |
17K03511
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
藤原 究 杏林大学, 総合政策学部, 准教授 (30612569)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 宗教法人 / 宗教法人法制 |
研究実績の概要 |
平成30年度は、宗教団体に対する寄附金や布施の法的性質のサブテーマについて検討を行った。宗教団体の寄附金や布施についての現在までの議論を整理するとともに、政教分離が厳格であり、宗教財産の取扱に特徴のあるトルコにおいて現地調査を行い、寄附や布施の法的対応について現状の問題と課題について研究を行った。イスラム教圏において、トルコは厳格な政教分離体制を取る国家として知られており、わが国における国家と宗教の関係性に一定の示唆を与えうる宗教と国家の関係性を有していると考え、モスクを中心とした宗教施設、公的機関等への訪問・聞き取り調査を行った。これまでトルコの宗教団体について民事法、宗教法人法制という観点からの研究は殆どなされておらず、まとまった先行研究も多くないため、困難な部分も多かったが、宗教団体と世俗の融合について特異な点が見られることがわかった。ただ、現段階ではトルコにおける現状について十分に観察を行う段階であり、今後いくつかの仮説に基づいてさらなる現地調査を行い、わが国の寄附金制度における問題点と諸外国の取り組み、特にトルコにおける現状と課題を新たな視点で明らかにするため、より深い調査が必要であることも同時に判明したため、聞き取りの対象者を広げて、さらに調査を進める必要があるという結論に達した。とくに今回調査対象とすることができなかった行政側の関係者に対する調査は不可欠であり、宗教施設側と両面で行う事が重要であると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたトルコにおける現地調査も無事に終了し、最低限必要としている調査内容についてはクリアすることができたものの、いくつかのセクションにおいては調査できなかったため、今後追加の調査を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していなかった追加の現地調査を行う。これによりここまで積み残した課題について更に研究を進めるとともに、新しい部分についても対象を広げる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定よりも書籍・物品の購入価格が安価だったため次年度使用額が生じた。当該未使用額については、追加した海外調査に関する費用として使用する予定である。
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