研究課題/領域番号 |
17K03511
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
藤原 究 杏林大学, 総合政策学部, 准教授 (30612569)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 宗教法人 / 公益法人 |
研究実績の概要 |
本年度は、トルコにおける「公益ワクフ」の置かれている現状と課題、実際の運用の状況を現地調査によって知るとともに、寄附金や布施についての追加調査を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、現地への渡航が不可能となってしまったため、当初計画の大幅な見直しをせざるを得なかった。そこで、おもに文献を中心とした調査に切り替えて、イスラム諸国にある様々なワクフの歩みと現状について再度詳細な検討を行うこととなった。他国におけるワクフの歴史と時代背景との関わりについて再確認することで、トルコにおけるワクフの特異性がより鮮明になるとともに、財団法人としての性質を高めたトルコのワクフが形成される過程についても新たな発見があった。 「公益ワクフ」の管理に関する行政機関としてトルコにおける宗務庁の組織や権限については調査も行ったが、文献調査での範囲ではあるが、あるていどの内容については確認することができた。 ワクフの法制については、トルコ以外の国々における現状とトルコにおける近代法とイスラム法との相互作用や宗務庁・ワクフ法制の政教分離上の理解について概観することができ、その結果として新たな論点や検討課題も明らかになったので、これを含めて次年度の課題を整理することができた。 こうした点を踏まえて、次年度では研究全体の輪郭をより鮮明にした上で、財産の性質について有益な示唆を得られるよう研究を続ける。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来であれば、行うはずであった現地調査が新型コロナウイルス感染症拡大の影響で行うことができなくなったことで、資料等から判明すること以上の必要な情報を得ることができなかった。また、当地における感染症由来の混乱もあり、現地協力者とのコンタクトについても困難となり、十分な研究環境を整えることができなかった。さらには、研究代表者の家族において介護が必要になったこともあり、十分に研究のための時間をとることができない状況であったことも関係する。 こうした点から、分析に必要な公益ワクフを取り巻く現状についてのデータ等を入手できず、結果として遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られている資料を中心に、論点を絞り込み、不可欠な部分については、リモートでの情報収集も含めて取り組むことで、次年度中の回復を目指したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響で現地調査が行うことができず研究体制の見直しが必要となった。それに伴って、遠隔での聞き取り調査などができるように新たな環境整備を行ったこともあって、使用計画を変更せざるを得なくなった。
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