イスラム寺院等の宗教組織に対して財産を寄進する際に「ワクフ」といわれる制度が利用されることがある。「ワクフ」は基本的に公益を目的とするものに限られており、中でも「公益ワクフ」は信託に類似する公益目的の財産利用形態となっている。こうした仕組みをわが国の宗教団体の財産管理において利用する可能性を探るには、前提として、宗教団体の情報開示と公益への貢献が不可欠である。今回調査対象としたトルコ共和国と、わが国の制度に違いはあっても、こうした宗教団体の外部に対する活動とその透明性の確保が、宗教団体の運営上安定した裏付けとなるような財産の集積を認める社会的な信頼につながっているという点において知見を得た。
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