研究課題/領域番号 |
17K03513
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
藤田 祥子 拓殖大学, 商学部, 教授 (30316616)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | B Corp認証取得 / ベネフィット・コーポレーション |
研究実績の概要 |
世界的にESG投資が注目されており、わが国も例外ではない。わが国の上場会社においてESGの取り組みがなされ、開示もされるようになった。そこで、わが国の上場会社がEUに取り組む場合にB Corp認証を取得することの可能性を検討する論文を執筆した。わが国において投資家や企業に対するESGの意識を促すきっかけとなったのは、スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードの制定である。そこで、まず両コードの内容と改訂について説明し、次に金商法改正による有価証券報告書の非財務情報開示に言及した。わが国の上場会社の中には、B Corp認証を取得した子会社を有する会社もあるが、親会社である上場会社自身は、B Corpの認証を取得することに興味を持っていないようである。実際に上場会社がB Corp認証を取得するのは用意ではないが、この認証制度を運営しているB Labは、近年、上場会社が認証取得しやすいように色々な工夫をしている。その工夫により、認証取得自体は時間もかかり大変であるとしても認証の前提となるB Impact Assessmentの利用は容易になってきていると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度に続き、2021年度もコロナに振り回された年となった。授業は、オンラインのもの、対面のもの、ハイブリッドなどあり、対面も緊急事態宣言がなされれればオンラインに切り替わったりと対応の大変さは前年と変わらず、研究に時間を割けなかった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きB Corp認証についての動向をチェックしていく予定である。現在、B Labが認証要件の見直しをしており、またわが国でも認証取得を考える会社が増えているためである。 今までベネフィット・コーポレーションに関する研究はあまりしてこなかったため、今後の研究についてはベネフィット・コーポレーションに重点を置く予定である。ベネフィット・コーポレーションがアメリカのみならず、他の国等でも導入されたり、フランスではベネフィット・コーポレーション制度を取り入れたものと説明される制度が導入されていることから、まずは比較法的アプローチを用いることにより、わが国におけるベネフィット・コーポレーション制度の導入の可否を検討することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
図書及び物品の必要な購入をしていなかった。コロナのため、研究会等も対面ですることができずオンラインが主で旅費の利用がなかった。今後は他の研究者等との研究会・意見交換なども視野に入れているため、旅費や謝金として使用する予定である。
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