(1)3万6千のコミューン(市町村)を抱えるフランスにおいては政府による合併推進が奏功せず、長年コミューン数は変わらないまま推移してきた。その一方で多様なコミューン間協力組織が機能してきた。2010年代には財政危機とEUからの財政赤字削減圧力が強まり、サルコジ、オランド両大統領が地方制度改革も進める中で、合併を含む自治体広域化が一定程度進捗している。 (2)フランスでは地方分権が進められてきたものの、2000年代以降のNPM的国家改革、行財政改革の中で、国家が「遠くから」定めた仕切りの枠内で地方が競争させられる、これまでと態様を変えた垂直的な中央-地方関係が再登場している。
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