研究課題/領域番号 |
17K03526
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 大阪大学 (2019-2020) 茨城大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
乙部 延剛 大阪大学, 法学研究科, 准教授 (50713476)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 政治的なもの / 政治理論 / シェルドン・ウォーリン / ハンナ・アーレント / 闘技デモクラシー論 / 大陸系政治哲学 |
研究成果の概要 |
「政治」と区別された「政治的なもの」という概念は、かつて政治理論で頻繁に論じられてきたが、2000年代以降、この概念への関心は低下してきた。だが、「政治的なもの」の理論はもはや無効あるいは困難なのであろうか。このような問に立ち、本研究では、「政治的なもの」の理論の可能性を、過去の著作の検討、他の有力な政治理論・政治哲学の潮流との比較を通じて検討した。その結果、明らかとなったのは以下の2点である。(1) 政治の動態を発見し把握するという「政治的なもの」の理論の意義は今なお有効である。(2)他方、「政治的なもの」の理論は、自身の理論の正統性をより明確にする必要がある。
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自由記述の分野 |
政治理論、政治思想史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
政治学で論じられる「政治」は議会等の制度内でのやり取りや、国家間の政治を中心的に扱うが、これは日常的、一般的な「政治」の理解とは微妙に食い違う。なぜなら、後者においては、広範な人間関係における「政治」や、あるいは制度化される以前の人々の対立などを含むからである。政治理論において、政治学上の「政治」に当てはまらないような要素はしばしば「政治的なもの」と呼ばれる。本研究では、こうした「政治的なもの」の探求は、それ自体が重要な研究課題となりうることを明らかにするとともに、「政治的なもの」を探求する理論について、その学問的基盤が必ずしも十分に展開されていない点を指摘し、改善の方策を探った。
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