研究課題/領域番号 |
17K03533
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
後 房雄 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (20151855)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ポピュリズム / 政治の大統領制化 / パーソナル・パーティ / モニタリング・デモクラシー / カウンター・デモクラシー |
研究実績の概要 |
ポピュリズムの現象の国際的な広がりとともに、英語、イタリア語、日本語によるポピュリズム研究文献も増加しているので、それらの系統的な収集と一部の検討を行った。それにより、論争の的となっているポピュリズムの定義について、エリート対ピープルという言説構造を核心とするものとして一定の見通しをもつことができた。 2017年10月の日本の総選挙において、小池新党というポピュリズム的な動向が生まれたのに伴い、ポピュリズム研究の視点からそれに対する分析を行ない、論文を執筆発表した。 2018年3月4日のイタリア総選挙と合わせて現地調査を行ない、関連資料、文献の収集を行ったほか、この選挙で大きく得票率を伸ばした五つ星運動とレーガ〈旧北部同盟)を中心に情報収集と分析を行い、イタリアのポピュリズムの最近の展開について検討を進めることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年3月のイタリア総選挙の実施にともない、現地調査を行ったことにより、関連資料、文献の収集が進んだほか、イタリアポピュリズムの代表的な政党である五つ星運動とレーガについて多くの有益な情報を得ることが出来た。また、それと並行して、英語、イタリア語、日本語のポピュリズム研究文献の収集検討を通じて、ポピュリズムの定義について一定の見通しが得られた。
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今後の研究の推進方策 |
ポピュリズム関連文献の収集を引き続き進めながら、その検討を本格的に行う。特に、イタリアにおけるポピュリズムについては多くの有益な文献を入手することが出来たので、その検討を通じてイタリアにおけるポピュリズムの歴史的背景、言説構造、支持基盤、組織構造、リーダーシップなどについて踏み込んだ分析を行う。 それと比較しながら、日本におけるポピュリズムの特徴、特に国政レベルで大きな展開を見せることがない理由についても検討を進める。 以上を踏まえて、中間的な成果として、イタリアのポピュリズムの冷戦終結以降の展開や五つ星運動、レーガの最近の急成長について論文の執筆に着手する。
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