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2017 年度 実施状況報告書

日・韓・台におけるリベラル政党の盛衰に関する比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K03534
研究機関京都大学

研究代表者

新川 敏光  京都大学, 法学研究科, 教授 (30216212)

研究分担者 安 周永  常葉大学, 法学部, 准教授 (10612393)
林 成蔚  常葉大学, 法学部, 教授 (20322787)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードリベラル政党 / 社民主義政党 / 社会運動
研究実績の概要

本研究の目的は、日本の民進党(旧民主党)を韓国の「ともに民主党」、台湾の「民主進歩党」と比較研究することによって、日本におけるリベラル勢力の低迷の理由と再生の可能性を明らかにすることである。欧米との比較の視点から、日韓台のリベラル政党の歴史と政権期の政策を比較検討する。それによって、三カ国のリベラル政党がおかれている共通点と相違点を明らかにする。具体的には、5月にヨーロッパの社会民主主義に関する研究者を招聘し、研究会を行う。その際に、研究メンバー間に今後の研究計画を再確認するとともに、本研究計画に対してヨーロッパ研究者から助言を得て、今後の課題と方針を一層明確にする。8月には韓国調査を行う予定であった。

初年度は、当初の研究計画以上の成果を得ることができた。5月に研究代表と分担者が集まり、日韓台のそれぞれの政治状況を報告してもらい、本科研の計画を明確にした。また7月には、一橋大学の田中拓道教授を、2月には法政大学の山口二郎教授を招聘し、研究会を行った。欧米の社会民主主義の動向と日本の野党再編を把握することができた。

計画当初は今年度に韓国の調査を行う予定であったが、去年の北朝鮮のミサイル実験等の情勢を踏まえ、韓国調査を中止し、2年目に行う予定の台湾調査を先に行った。訪問先は、台湾総統府のスポークスパーソンや次長、台湾日本関係協会の会長、民進党の幹事長、時代力量の創立メンバー等であった。こうしたインタビューから民進党政権の復権には、国民党の腐敗だけではなく、対中関係をうまく利用した民進党の戦略と市民運動の影響があった。東アジアにおいても政党の対立軸とリベラル政党の戦略が大きく異なっているが確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

研究実績の記入欄で述べたように、初年度から活発に研究会や研究調査を行った。その結果、ヨーロッパの社民主義政党の動き、歴史の視点から見た日本の革新政党の変化、台湾の政権交代の要因と過程を把握することができた。研究計画よりも研究が進んでいるといえる。

今後の研究の推進方策

今後は、韓国の調査を行い、政党政治レベルでの日韓台の比較分析を進める。そのうえで、社会運動からの政党政治に対する影響を分析し、日韓台における相違を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

研究分担者による海外調査の予定が入っていたものの、全体の調査の日程の変更によって、先送りされた。そのため、次年度使用額が生じているが、次年度に海外調査を実施する予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 進む韓国の最低賃金引き上げ運動――労働組合の戦略と社会連帯2018

    • 著者名/発表者名
      安周永
    • 雑誌名

      経済

      巻: 271号 ページ: 110‐117

  • [雑誌論文] リベラルな国民再統合パターンの析出――英独仏を事例として2017

    • 著者名/発表者名
      新川敏光
    • 雑誌名

      新川敏光編『国民再統合の政治――福祉国家とリベラル・ナショナリズムの間』ミネルヴァ書房

      巻: 単行本 ページ: 11‐42

  • [雑誌論文] 多文化主義による国民再統合――カナダを中心事例として2017

    • 著者名/発表者名
      新川敏光
    • 雑誌名

      新川敏光編『国民再統合の政治――福祉国家とリベラル・ナショナリズムの間』ミネルヴァ書房

      巻: 単行本 ページ: 69‐96

  • [雑誌論文] 韓国型多文化主義の展開と分岐2017

    • 著者名/発表者名
      安周永
    • 雑誌名

      新川敏光編『国民再統合の政治――福祉国家とリベラル・ナショナリズムの間』ミネルヴァ書房

      巻: 単行本 ページ: 129‐154

  • [雑誌論文] [台湾]ナショナリズム政党と保守――台湾政党システムの試論2017

    • 著者名/発表者名
      林成蔚
    • 雑誌名

      阪野智一・近藤正基編『刷新する保守――保守政党の国際比較』弘文堂

      巻: 単行本 ページ: 91-140

  • [雑誌論文] [韓国]刷新の失敗と保守政党の凋落――朴槿恵退陣後の漂流する自由韓国党2017

    • 著者名/発表者名
      安周永
    • 雑誌名

      阪野智一・近藤正基編『刷新する保守――保守政党の国際比較』弘文堂

      巻: 単行本 ページ: 55-90

  • [雑誌論文] 書評論文 金成垣著『福祉国家の日韓比較 : 「後発国」における雇用保障・社会保障』 金早雪著『韓国・社会保障形成の政治経済学 : 国家と国民生活の変革』 ――労働組合の戦略と社会連帯2017

    • 著者名/発表者名
      安周永
    • 雑誌名

      現代韓国朝鮮研究

      巻: 17号 ページ: 66‐72

  • [雑誌論文] 韓国と日本の不安定労働市場の比較研究――不安定労働のジェンダー的・職業階層的分絶【韓国語】2017

    • 著者名/発表者名
      白承浩・安周永・李承潤
    • 雑誌名

      韓国社会政策【韓国語】

      巻: 24巻第2号 ページ: 1‐29

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Politics of Taxation and Familialistic Welfare Regine on Taiwan2017

    • 著者名/発表者名
      Chenwei LIN
    • 学会等名
      International Symposium, Democratization, Taxation, and the Welfare State in the Developing World
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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